こんにちは、レアンです。
『ブギーポップは笑わない』全話視聴完了しました。
dアニメストアで9,000話以上視聴した僕の率直なレビューをお届けします。
ぼくは自動的なんだよ。名を不気味な泡という――。
©2018 上遠野浩平/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
視聴情報
おすすめ度:★★★★☆(3.7/5.0)
プラットフォーム:dアニメストア
視聴回数:1周
総話数:18話
作品を一言で言うと
複数の人物の視点がパズルのように組み合わさり、少しずつ全体像が見えてくる群像劇。
ネタバレなしの感想

正直に、序盤は見ているだけでもなんか難しかったです。
誰が主人公なのか分からないまま物語が進み、時系列も頻繁に入れ替わるため、1話ごとに全貌を理解するのは簡単じゃないかもしれません。
タイトルからブギーポップがメインなのはわかるんですが、『涼宮ハルヒの憂鬱』だってハルヒが中心とはいえ、主人公はキョンですからね。話ごとにキョンが誰なのかって感じです。
全18話の中にも話が区切られていて、その度に登場人物が変わります。
- ブギーポップは笑わない
- VSイマジネーター
- 夜明けのブギーポップ
- オーバードライブ 歪曲王
上記の4本立てになっています。
最初の1~3話が本作の理解の土台となる「ブギーポップは笑わない」ですね。
まずはここだけでも視聴してみるのをおすすめします。
いわゆる3話切りをするかどうかにも丁度いいラインです。
最近は1話切りや0話切りなんてのもあるそうですが、本作においては第3話まで見てから決めるのがいいと思います。
良くも悪くも最後まで見ることの価値が高い作品ですね。
断片的だった情報が後から別の人物の視点によって補完されて「そういうことだったのか」と繋がった瞬間の気持ちよさはミステリーっぽさもあっていいですね。
原作は、かの電撃文庫から出版されていますが、派手なバトルアニメというよりは、人間の心理や価値観、恐怖や孤独といった内面描写をじっくり描く作品という印象です。
やはり時代の転換点といいますか「ブギーポップ以降・ブギーポップ以前」という言葉を生み出した作品なだけあって、難解さも味わい深いです。
万人向けではありませんが、ハマる人にはかなり刺さると思います。
アニメなのに読了感があるというか、本を読んでいるかのような重厚感がありました。
不気味さとスタイリッシュさが共存しており、考察しながら観る楽しさが詰まった作品です。
良かった点

不気味さとスタイリッシュさの融合
本作独特の空気感はかなり印象的でした。
都市伝説のような不気味さが常に漂っている一方で、キャラクターたちの会話や演出にはどこか洗練された格好良さがあります。
その割に誰もが人間臭いのがいいんですよね。
各章で登場人物が変わるので、その度に視点の違う恐怖感があって毎回感情を乱されます。
特にブギーポップが登場する場面は独特の存在感があり、恐ろしさと神秘性を同時に感じさせてくれました。
パッと見でブギーポップには、どことなーく『キノの旅』のキノに近い雰囲気を感じますが、全くの別物です。
掴みどころが難しい、どこか人知を超えた何かを感じさせるところが魅力ですね。
余談ですが、20年の時を経てアニメ化するにあたり、細かいところを現代調にしているので、違和感なく雰囲気に浸れるのもいいところです。
パズルのように組み合わさる群像劇
この作品を語る上で欠かせないのが構成です。
原作の通りなのですが、時系列をばらした叙述スタイルがアニメにも反映されています。
同じ出来事でも登場人物によって見え方が異なり、それぞれの視点が少しずつ全体像を明らかにしていく構成になっているんですね。
序盤では意味が分からなかった場面が後になって重要な伏線だったと気付くことも多く、考察好きにはたまらないかと思います。
伏線に関しては、作者が自画自賛しかけたなんて話があるくらい美しいです。
心理描写の深さ
本作は人間の心の動きを丁寧に描いている点も印象的でした。
誰もが何かしらの悩みや葛藤を抱えており、その弱さや歪みが物語を動かしていきます。
現実を舞台にしているのでより共感しやすいポイントですね。
善悪だけでは割り切れない人物が多く、それぞれの考え方に説得力があるため感情移入してしまうところがあります。
超常現象を描きつつ、人間臭さもあって考えさせられる作品でした。
イマイチだった点

画面が暗い
展開とか雰囲気とか、そういう意味ではなく、ストレートに画面が暗いです。
なんかもう真っ暗なんじゃないかこれってシーンが結構あります。
スマホで視聴していた時は明るさMAXで見ないとさっぱりわからないくらいで、電池がもりもり減りました。
全部見たからこそ作風として割り切れますが、少し見づらいのは事実です。
いざ視聴するとなったら、デバイスの方で調整してあげるのがおすすめです。
特に印象に残った雰囲気・テーマ
タイトル強しといいますか、ブギーポップの独特な雰囲気が印象に残りますね。
女の子に宿る別人格であるという点も面白く、だからといって女の子が主人公になるわけでもない。
あくまでブギーポップが主人公だと。
普段は出てこない、話の度に視点が変わる。
しかし、必ずブギーポップが現れる。
人間の葛藤や謎めいた事件、暗めの演出。
これらが合わさってブギーポップがより魅力的な存在になっていると思います。
dアニメでの見やすさ
ながら視聴のしやすさ
★☆☆☆☆
ここまで読んでくれた方ならお気づきかと思いますが、本作はながら視聴には向いていません。
少し目を離しただけで重要な情報を見逃してしまうかも。
群像劇という形式上、登場人物も多いため、落ち着いて見られるときの視聴をおすすめします。
1話の長さ・テンポ
1話あたりは一般的なアニメと同じ長さです。
テンポ自体はゆっくりなのですが、情報量が多いため体感的にはかなり濃密です。
各章ごとなど、数話まとめて視聴した方が理解しやすい作品だと思います。
ネタバレ注意ゾーン

こちらはネタバレ注意ゾーンです。
未視聴の方はお気をつけください。
ネタバレありの感想コーナー
ようこそネタバレコーナーへ。こちらは僕のちょっとした感想欄です。


今でこそ時系列を散らす手法はあるところ、といった感じですが、1998年にこれを生み出したと思うと畏敬の念を抱きますね。
そして20年経ってのアニメ化というのも相当に思い切ったことかと思います。
現代に馴染むかどうかという点で不安視もあったんじゃないかなぁ、なんて余計な想像もしてしまいます。
とはいえ、ファンの方々からしてみれば待望といった形ですよね。
最初にアニメになった『ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom』は原作の続編的な立ち位置なので、前述の表現となりました。
多分なんですけど、2周目以降がめちゃ面白いんじゃないかと思います。
ちりばめられた伏線を思い出して感嘆しながら見ていましたが、2周目だと伏線を意識しながら見るのもいいんじゃないかな、と。
また、テーマの項では触れませんでしたが、本作は人間賛歌であるのではないかと考えます。
細かく理由をあげればキリがないほどに濃密な本作ですが、大きくわけて2点あげてみようと思います。
まずは都市伝説として噂される存在であること。
その人が一番美しい時に、それ以上醜くなる前に殺す
そういう殺し屋ではないかと噂されているブギーポップですが、超常的な存在でありながら、人間の想像の範囲ではやはり人間の域を出ていない。
人類の歴史として、想像しうるものは実現できる、超えうるものであることは論を俟たないところです。
超常的な存在への想像限界であるという捉え方もできそうですが、ここでは想像しうる存在にまで落とし込むことができているという捉え方をします。
(本作ではブギーポップは事件の最後に出てきて解決していくものの、大筋は人間の葛藤や努力によってなされる。つまり、超常的な力に抗う力も持ち合わせているので、事象を乗り越えられるのであればそれは想像限界ではなく落とし込めていると考えるため。結果論である側面もあるため、どちら側に立ってもアプローチはできると思います)
つまり、超常的な存在や現象も身近なものへと置き換えることで人間は立ち向かうことができるといえます。
都市伝説としての噂はこの前提としての意味を持つということですね。
ふたつ目は本作が夢・希望・諦め・悩みなど、いろいろな思いを持っている少年少女達の物語であることです。
倦怠感を漂わせる雰囲気の中、登場人物は様々な形でそれらへ向き合っていきます。
これらに共通しているのは人間の持つ可能性です。
人間は超常的な現象にも、自身の中で渦巻く葛藤にも打ち勝つことができる。
そんな素晴らしい存在である。
複数の登場人物の視点から描かれる群像劇であるということがよりこれを強固に表していると考えられます。
とはいえ、そんな大層なことを考えずとも楽しめるのがアニメのいいところかな、とも思います。
ワイヤーで戦うキャラってかっこいいですよね。
『家庭教師ヒットマンREBORN!』のベルフェゴールとか。
さて、話が脱線してきたのでネタバレコーナーはここら辺にしておきましょう。
本作は考察記事など探せば結構出てくるので、そちらを読んでみるのもまた楽しいかと思います。
こんな人におすすめ
- 群像劇やミステリー作品が好きな人
- 独特な世界観やダークな雰囲気が好きな人
- たまには変わった作品がみたい人
似た作品・次に見るなら
- 『serial experiments lain』
- 『キノの旅』
- 『デュラララ!!』
総評
『ブギーポップは笑わない』は独特の世界観と巧みな群像劇が魅力の良作でした。
序盤のとっつきにくさはあるものの、物語の断片が繋がり始めた瞬間からぶわっと一気に面白くなります。
万人向けと言えば嘘になりますが、逆に言えば刺さる人にはとことん刺さる作品かと思います。
考察や心理描写が好きな方にはかなりおすすめです。
おすすめ度:★★★★☆(3.7/5.0)
ここまで読んでいただきありがとうございます。
また次の記事もよろしくお願いいたします。



またね!









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